【令和3年4月2日金曜日】教員免許更新制が現状のままでは、「教員の質」以前に「教員の需給」が崩れ、「教員の確保」自体が困難になる。

今日は、新年度の「4月2日」。昨日、令和3年の辞令交付が行われ、全国で「新任の先生」が教壇デビューする。一方で、前日の「3月31日」に、「60歳定年」を迎えられた先生方が教壇を去られた。

令和3年4月1日から「改正・高年齢者雇用安定法」が施行される。これは65歳までの雇用確保(義務)に加え、70歳までの就業の機会を確保する努力を企業側に求めるものである。

しかし、現在の「教員免許更新制」の制度では、免許更新を怠る、或いは、更新せずにいると教員免許が失効して、教壇に立つことが出来なくなる。現在の状況と、今後の見通しとは、多少、状況は異なるが、大学新卒で教員免許を取得して、22歳で教壇に立つ「モデル」を思考実験すると、10年ごとに免許更新を繰り返さなければならない。医師免許、弁護士資格等々難関資格は勿論、料理士免許など、資格がないと就業できない仕事は数多あるが、「10年ごと」に免許更新しなければならない、その度に受益者負担で、免許取得者が「3万円負担」させられる資格は、教員免許である。

日本の人口は少子高齢化ではあるが、教員採用試験の低倍率が危惧、心配されている。問題は、採用予定者数に対して「母数」の減少である。新卒者の受験者の減少。それは、大学の教職課程の受講者、修了者の動向に直結している。ブラック労働、モンスター・ペアレント等教育環境の変化等々、世間が期待するほど、教職、教員の仕事に魅力が無くなってきているということなのだろうか。「10年」ごとに免許更新を行われなければならない「資格」というのも原因でありはしないか。①大学卒でなければなれず、②教職課程を受講し、単位取得しなければならない。③教職科目の中で、3週間の教育実習に行かなければならないし、また、介護体験の実習もある。④教員免許しても、民間への就職を諦めて、採用試験を受け、合格しなればならない。⑤民間就職を諦めるだけの、教職への強い熱意も必要。苦労して、希望の教職に就けても、確たる試練も無く、時間もかけずに取得出来る調理師免許が「一生もの」の資格に対して、教員資格は、医師のように、直接「命」に関わる資格ではないのに、「倫理性」と共に、「10年」で資格を失ってしまう。コスト・ベネフィットを考えても、とても教員免許は「割の良い資格」に思えない。

今年も、年度末の「3月31日」に、多くの「定年退職者」が教職を終えている。現在の「65歳年金制度」にあって、大多数の「定年退職者」は65歳まで「再任用制度」で教壇に残るが、65歳で教員免許が「失効」した教員は、悉く教壇を去ることになる。今年も、たくさんの教員が「65歳」の免許失効で教壇に立てなくなってしまう。

教員免許更新制度の、一番の肝は「10年」という教員免許に期限をつけたことであるが、その期限を設けたがために、毎年、「3月31日」の年度末に大量の教員が免許失効して教壇を去って行く。教員の需要と供給のバランスを考えれば、大量の「免許失効者」が出ても、それに見合う、大量の新卒免許取得者が供給できていれば、何の心配も、問題も無い。しかし、現在の、「教職希望者」が減少している状況にあっては、需給のバランスは、じり貧である。しかも、経験豊富なベテランの教員が、大量に「資格失効」していき、教育現場では「教員の不祥事」根絶が思うように進まない中、経験の浅い、海のものとも山のものともつかぬ「新卒教員」を大量に採用して行かなければならない。「教員の不祥事」が根絶されない訳である。

2020年のコロナ禍に伴い、教員の補員拡充に、①退職教員の「掘り起こし」をしようにも、免許更新制がネックとなり、教員経験もあり、教員免許取得者であっても「免許失効者」は、教壇に立つことも出来ない。⑨「9月入学」の検討もあったが、免許失効が「3月31日」の年度末に失効では、年度の途中で、免許失効する教員が続出する、また、「9月入学」までの時期、「9月入学」の移行に伴う「教員の増員」に、教員資格所得者の掘り起こし、人材の確保が出来なければ、「採用計画」自体が成り立たない。

既に、③臨任講師、産休講師、急な講師の確保等々、教員免許取得者の確保に苦労するという「実害」も起こっている。第1次安倍内閣肝いりの、重要法案だった「教員免許更新制」の一番の欠陥は、1)「10年」という期限。講習の度に、2)「3万円」の受益者負担である講習料、そして、「30時間」の講習。勿論、更新が前提の「自動車面書」とは違って、「不合格」の振り落としもあることになっている。それでも、教員免許詐称者のあぶり出しはあったが、教員の不祥事の根絶につながっていない。

更には、コロナ禍が収まらないがために、昨年度は、教員免許更新講習自体の実施が万全でなかった。その為、救済措置も配慮されたが、免許講習の積み残しは、必ず、次年度でしわ寄せとなる。2021年度なっても、未だ、コロナ禍が収束する兆しはない。昨年度の、2020年度、多くの大学で、対面授業が行われす、オンライン授業の「1年」だった。今年度の、大学の対面授業の見通しは、「第4波」の到来もあり、不確実である。多くの免許更新予定者は、夏休みに集中する。教員免許更新予定者を受け入れるだけの、免許講習のキャパを確保できるのか。

新型コロナ「第4波」の到来で、聖火リレーも危うい。それどころか、「第4波」到来では、コロナ感染を恐れて「選手」も、「オリンピック関係者」も受け入れる体制を心配するどころか、日本にやって来ない事態も想像に難くない。今の「第4波」の感染者拡大、爆発を見ていると、聖火リレーどころの状況ではない。今日は、「4月2日」であるが、東京オリンピック本体自体の開催が危うい。教員免許更新講習を終了できなければ、年度末の「3月31日」に大量の「教員免許失効者」が生まれる。「4月1日」に、令和3年度が始まったばかりではあるが、今年度、2021年度の免許講習はやってくる。新型コロナの「第4波」で、教員免許更新制が瓦解していく。

このままでは、教員免許講習自体、受講出来ない。


■「教員免許更新制度」こんなに評判悪い~高いし講習会場が少ないし…
それでも改善する気はナシですか? https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56375

■ドキュメント「教員免許失効」~更新を忘れた教師の末路
知られざる「失効」の世界 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55651

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